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ショウヨウ

「もしかしたら、袁紹は関中を侵擾して、羌族などに叛乱をおこさせ、南は蜀と漢中の勢力にさそいをかけるかもしれぬ。そうなるとわたしはエン州と豫州だけで天下の六分の五を相手にせねばならなくなる。いったいどうすればよいか」 
げんに袁紹の外甥である高幹が并州をおさめており、并州の西隣の涼州に手をのばすことはむずかしくない。戦略家の目をもってすれば、そういう巨大な包囲陣がみえてくる。 

「関中には十を単位にして数えたほうがよいほど将帥がいますが、とてもひとつにまとまることはできません。そのなかで韓遂と馬騰がもっとも強く、かれらは山東で戦いが始まれば、かならずそれぞれ衆を擁して勢力を保全するでしょう。いまもしも恩徳をもってかれらを撫慰し、使者を遣って連和させれば、その状態を永続させるのはむずかしいとはいえ、公が山東を平定するまでは、かれらの動きを封じておけます。ショウヨウに西方のことをおまかせになれば公の憂いはなくなります」 
曹操と袁紹が戦うことになっても、韓遂と馬騰は勝敗をみきわめたいので、その戦いに加わるはずがないとジュンイクはみている。それゆえ曹操は西方勢力に強襲されることはないが、念のために先に手をうっておいたらどうか、とジュンイクは進言したのである。

三国志5 宮城谷昌光p.151.