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夢中に証を示したまへ

善導は次のような霊夢を告げ、『観経疏』は仏説聖典に等しと確信する。 

「もし一切の大悲の願意にかなわば、願くば夢中に証を示したまえと、仏像前に『阿弥陀経』三遍を誦し、阿弥陀仏を念ずること三万遍をもって至心に発願した。その夜に浄土の諸相を夢に見た。目覚めおわって欣喜にたえず、即時に義門を録す。これよりのちは毎夜夢中に一僧来たって指授し、玄義の科文がおわった。
…本書が全部脱稿したので、七日間至心に日に『阿弥陀経』を誦すること十遍、念阿弥陀仏三万遍、初夜後夜に浄土観想して誠心に帰命した。第一夜、三台の石うすが道にひとり回っていた。たちまちに白いラクダに乗った人がきて、『努力せよ。かならず往生す。退転するな』と勧められた。…第二夜、真金色の阿弥陀仏が七宝樹の下で金台に座し、十僧に囲まれておられるのをみた。第三夜、高大な二本の幢杆(はたさお)に五色の幢がかかって、縦横の道の人が皆ながめているのを夢みた。
…上のごとき夢中の霊相は、わが本心から衆生のためにと願い、少しも自分のためにしたのではないので、かくさずに皆に告げて信心を生ぜしめ、この功徳を衆生にめぐらし施し、ことごとく菩提心を発し、たがいに慈心もて相向かい仏眼もて相みてさとりを求める善友となり、同じく浄土に帰し、ともに仏道を成就したい。
この疏はすでにかくのごとき霊夢によって証定されおわったものである。余はあえて確信もて告げる。一句一字も加減すべからず。写さんと欲するものは一に経法のごとくせよ。まさに知るべし」 

参考文献 
仏教の思想8 角川ソフィア 塚本善隆p.215,216,217.